今回は、美肌ケア成分として注目されているビタミンAについての解説 後編です。
ビタミンAを多く含む食品や、それらを食事で上手に取り入れる方法について解説します。
↓ 前編はこちら ↓
【保存版】ビタミンAを徹底解説!~前編~|スキンケアへの取り入れ方とは?
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1. ビタミンAの働き
2. 1日の推奨摂取量は?
3. ビタミンAの摂取状況は?
4. ビタミンAが不足すると?
5. ビタミンAを摂るには?
6. ビタミンAの過剰症とは?
7. 妊娠中、妊娠を希望する場合、授乳中は?
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1.ビタミンAの働き
まずは、前編で解説したビタミンAの働きについて振り返ってみましょう。
ビタミンAは、もともと私たちの肌や体に存在している成分です。細胞の成長や分化に関わり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素として働いています。
さらに最近では、ビタミンAは免疫機能、視覚、生殖、細胞情報伝達に関与しているとも言われています。
2.1日の摂取推奨量は?
30歳〜64歳
男性 900μgRAE / 女性 700μgRAE
※レチノール活性当量(μgRAE)= レチノール(μg)+β-カロテン(μg)×1/12+α-カロテン(μg)×1/24
3.ビタミンAの摂取状況は?
国民栄養・健康調査によると、日本人はビタミンAが不足しがちです。例えば、30~49歳の女性は、ビタミンAを推奨量の48%しか摂れていないことが分かっています。
4.ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えにくくなる「夜盲症」を発症したり、皮膚や粘膜が乾燥したりします。また、粘膜の乾燥などから感染症にかかりやすくなると言われています。
5.ビタミンAを摂るには?
ビタミンAは、動物性の食品から摂ることができます。
うなぎやレバー、バター、ギンダラ、ナチュラルチーズなどに多く含まれます。
またビタミンAは、β-カロテンを多く含む緑黄色野菜から摂ることもできます。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されますが、動物性の食品から摂った場合と比較すると1/12の活性量になります。
厚生労働省は、1日の野菜摂取目標350g以上のうち、緑黄色野菜を120g以上摂ることを推奨しています。野菜を摂るときは摂取量だけでなく、緑黄色野菜と淡色野菜のバランスも意識して両方を補うようにしましょう。
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6.ビタミンAの過剰症とは?
普段の食事の中でうなぎやレバーなど食品として食べる分については、過剰症は起こりにくいと言われています。
例えば、ホッキョクグマの肝臓や魚の肝油を大量摂取した場合などは、急性のビタミンA過剰症がみられることがあるそうです。
一方、慢性の場合は、連日7,500μgRAEのビタミンAを摂取すると慢性症状が出現する*¹と言われています。7,500μgRAEとは、うなぎのかば焼き(可食部100g)を5枚*²食べて得られるビタミンA量で、これを連日にわたり摂取するようなイメージです。
7.妊娠中、妊娠を希望する場合、授乳中は?
基本的にビタミンAは、胎児の正常な細胞の分化に欠かせないため、妊娠中に必要となる栄養素です。
妊娠初期・中期は非妊娠時と同じ量を、妊娠後期は非妊娠時+80㎍、授乳中は非妊娠時+450㎍の摂取が推奨されています*³。
しかし、インターネットから個人輸入できる海外製のサプリメントや、乾癬などの治療で使用する内服薬の中には高濃度のビタミンA誘導体が含まれている場合があります。
妊娠中・妊娠を希望する場合・授乳中に、食事以外からビタミンAを摂取したい場合は、かかりつけ医にご相談ください。
美肌ケア成分として注目されているビタミンAについて、スキンケア編と食事編の全2回で解説しました。私たちの美と健康に不可欠なビタミンAを上手に活用し、いきいきとした毎日を過ごしましょう。
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【保存版】ビタミンAを徹底解説!~前編~|スキンケアへの取り入れ方とは?
<参考>
*¹内閣府 食品安全委員会 ビタミンAの過剰摂取による影響
*²文部科学省 食品成分データベース
*³日本人の食事摂取基準(2020年版)