前編では、スキンケアで使われる「塗るビタミンA」に注目し、レチノールの種類や使い方、刺激が気になるときの考え方をご紹介しました。
後編では、食品やサプリメントから取り入れる「摂るビタミンA」について解説します。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持、暗い場所での視覚などに関わる大切な栄養素です。一方で、脂溶性ビタミンであるため、不足だけでなく、サプリメントなどからの摂りすぎにも注意する必要があります。
この記事では、ビタミンAの働き、1日に必要な量、食品からの取り入れ方、β-カロテンとの違い、過剰摂取や妊娠中の注意点まで、わかりやすくご紹介します。
この記事でわかること
- 栄養素としてのビタミンAの働き
- ビタミンAの1日の摂取量の目安
- ビタミンAを多く含む食品
- レチノールとβ-カロテンの違い
- 不足や摂りすぎを防ぐためのポイント
- 妊娠中・授乳中に注意したいこと
- 目的に合わせたビタミンA配合製品の選び方
目次
摂るビタミンAは体でどんな働きをする?
ビタミンAは、油に溶ける性質を持つ「脂溶性ビタミン」のひとつです。
皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、暗い場所で物を見るための視覚機能、細胞の成長や分化、免疫機能などに関わっています。
肌を含む身体のコンディションは、ビタミンAだけで決まるものではありません。たんぱく質、ほかのビタミンやミネラルなども含め、食事全体のバランスを整えることが大切です。
ビタミンAが関わる主な働き
- 皮膚や粘膜の健康維持を助ける
- 暗い場所での視覚に関わる
- 細胞の成長や分化に関わる
- 免疫機能を正常に保つために必要とされる
ビタミンAは1日にどのくらい必要?
ビタミンAの必要量は、年齢や性別によって異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30〜64歳のビタミンA推奨量は、男性が1日900μgRAE、女性が1日700μgRAEとされています。
| 対象 | ビタミンA推奨量 | 耐容上限量 |
|---|---|---|
| 30〜64歳 男性 | 900μgRAE/日 | 2,700μgRAE/日 |
| 30〜64歳 女性 | 700μgRAE/日 | 2,700μgRAE/日 |
※数値は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によるものです。推奨量は年齢・性別によって異なります。
μgRAEとは?
μgRAEは「レチノール活性当量」を示す単位です。食品に含まれるレチノールやβ-カロテンなどを、体内でのビタミンAとしての働きに換算して表します。
ビタミンAが不足するとどうなる?
ビタミンAが著しく不足すると、暗い場所で見えにくくなる夜盲症や、皮膚・粘膜の乾燥などがみられる場合があります。
ただし、「肌が乾燥している」「最近コンディションが気になる」といった変化だけで、ビタミンA不足と判断することはできません。
特定の食品をほとんど食べない、食事量が極端に少ない、偏った食生活が長く続いているなど、栄養状態が気になる場合は、食生活全体を見直しましょう。症状がある場合は、自己判断で高用量のサプリメントを使用せず、医療機関へご相談ください。
ビタミンAを多く含む食品
食品から取り入れられるビタミンAには、大きく分けて、動物性食品に含まれる「既成ビタミンA」と、緑黄色野菜などに含まれる「プロビタミンAカロテノイド」があります。
| 種類 | 主な食品 | 特徴 |
|---|---|---|
| 既成ビタミンA (レチノールなど) |
レバー、うなぎ、卵、乳製品など | そのままビタミンAとして利用される。高濃度の食品やサプリメントからの摂りすぎには注意が必要 |
| プロビタミンA カロテノイド |
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜など | 必要に応じて体内でビタミンAへ変換される |

レチノールとβ-カロテンの違い
動物性食品に含まれるレチノールは、そのままビタミンAとして体内で利用されます。
一方、にんじんやかぼちゃなどに含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAへ変換されます。
食品に含まれるβ-カロテン12μgは、ビタミンAとして1μgRAEに相当します。数字だけを見るとレチノールより少なく感じられるかもしれませんが、緑黄色野菜からは食物繊維やほかの栄養素も一緒に摂ることができます。
| 比較する項目 | レチノール | β-カロテン |
|---|---|---|
| 主な由来 | 動物性食品 | 緑黄色野菜などの植物性食品 |
| 体内での利用 | そのままビタミンAとして利用される | 必要に応じてビタミンAへ変換される |
| 摂取時の注意 | サプリメントや高濃度の食品からの摂りすぎに注意する | 通常の食品からの摂取は、既成ビタミンAの耐容上限量の対象には含まれない |
食事から上手に取り入れるポイント
ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、油を含む食事と組み合わせることで取り入れやすくなります。
毎日の食事で意識したいこと
- 肉・魚・卵・乳製品だけに偏らない
- にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜も取り入れる
- 緑黄色野菜を油と一緒に調理する
- レバーなどビタミンAを非常に多く含む食品を頻繁に大量摂取しない
- 主食・主菜・副菜を組み合わせ、食事全体のバランスを整える
ビタミンAを含む食材を使ったレシピも、毎日の献立にご活用ください。
ビタミンAの摂りすぎには注意が必要?
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、余分な量が体外へ排出されにくいため、長期間にわたり多量に摂取すると、体内に蓄積する可能性があります。
成人の耐容上限量は、1日2,700μgRAEです。この上限量は、主にレチノールなどの既成ビタミンAを対象として設定されています。
通常のバランスのよい食事だけで過剰摂取になるケースは多くありませんが、レバーや肝油、高濃度のサプリメント、ビタミンAを含む複数製品を継続して併用する場合は注意が必要です。
サプリメントを利用するときの確認ポイント
- 製品に記載された1日の摂取目安量を守る
- 複数の製品にビタミンAが含まれていないか確認する
- 食品から摂る量も含めて考える
- 高用量の海外製品を自己判断で使用しない
- 薬を服用している場合は医師・薬剤師へ相談する
妊娠中・授乳中に注意したいこと
ビタミンAは、胎児の正常な成長や細胞の分化にも必要な栄養素です。その一方で、妊娠初期などに既成ビタミンAを過剰に摂取することには注意が必要です。
妊娠中、妊娠を希望している方、授乳中の方は、レバーや高濃度のビタミンAサプリメント、ビタミンA誘導体を含む医薬品などについて、自己判断で継続・追加しないようにしましょう。
妊娠中・妊娠を希望する方へ
食事以外からビタミンAを補いたい場合や、現在使用しているサプリメント・医薬品にビタミンAが含まれている場合は、製品を持参するなどして、事前に産婦人科医や薬剤師へご相談ください。
目的に合わせて選ぶビタミンA配合製品
食事を基本にしながら、毎日の美容や栄養習慣に合わせてサプリメントを取り入れる方法もあります。
アクティブサプリには、ビタミンAと一緒に取り入れたい栄養素に合わせて選べる3つの製品があります。配合量だけではなく、普段の食生活や目的、ほかに使用しているサプリメントも確認して選びましょう。
※配合量が多い製品ほど優れているという意味ではありません。食品やほかのサプリメントからの摂取も含めて確認し、各製品に記載された摂取目安を守ってください。
よくある質問(FAQ)
Q. ビタミンAとβ-カロテンは同じものですか?
同じものではありません。β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAへ変換される「プロビタミンAカロテノイド」のひとつです。レチノールなどの既成ビタミンAとは、食品の由来や体内での利用方法が異なります。
Q. 野菜だけでビタミンAを摂ることはできますか?
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などには、体内でビタミンAへ変換されるβ-カロテンが含まれています。特定の食品だけに偏らず、動物性食品や植物性食品を含めて、食事全体のバランスを考えることが大切です。
Q. ビタミンAは油と一緒に摂った方がよいですか?
ビタミンAやβ-カロテンは脂溶性のため、油を含む食事と組み合わせることで取り入れやすくなります。緑黄色野菜を炒め物やドレッシングと組み合わせるのもひとつの方法です。
Q. ビタミンAはサプリメントから摂ってもよいですか?
食事を基本としながら、ライフスタイルに合わせてサプリメントを活用する方法もあります。製品の摂取目安を守り、ビタミンAを含むほかのサプリメントとの重複にも注意しましょう。
Q. ビタミンAサプリメントはいつ飲むのがよいですか?
サプリメントは食品のため、基本的には製品表示を確認し、毎日続けやすいタイミングに取り入れましょう。脂溶性ビタミンを含む製品は、食事中や食後に取り入れる方法もあります。
Q. 妊娠中でもビタミンAサプリメントを利用できますか?
妊娠中や妊娠を希望している方は、既成ビタミンAの過剰摂取に注意が必要です。自己判断で使用を開始・継続せず、現在利用している食品やサプリメント、医薬品も含めて産婦人科医へご相談ください。
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まとめ
- ビタミンAは、皮膚や粘膜、視覚、免疫機能などに関わる脂溶性ビタミンです。
- 30〜64歳の推奨量は、男性900μgRAE/日、女性700μgRAE/日です。
- レバーやうなぎなどの動物性食品と、緑黄色野菜の両方から取り入れられます。
- β-カロテンは、必要に応じて体内でビタミンAへ変換されます。
- サプリメントを利用するときは、複数製品による重複摂取に注意しましょう。
- 妊娠中・妊娠を希望する方は、自己判断で高濃度の製品を使用せず、医師へ相談することが大切です。
「摂るビタミンA」は、量だけに注目するのではなく、食品の種類やほかの栄養素とのバランスを考えながら、毎日の食生活に取り入れていきましょう。




